コロナ禍のこの一年

1.あっという間のこの一年

初めての緊急事態宣言から早くも一年が過ぎました

三回目の緊急事態宣言も延長されます

私としては、こんなにもはやく過ぎ去った一年は経験がありません

通常の業務に加えて、給付金や助成金の申請のお手伝い、融資のための資料作りなどの業務に取り組むうちにとうとうこのブログも止まってしまいました

というわけで、この一年を振り返りつつこれからのことを考えてみましょう

2.底堅い印象

顧問先の皆さんとお話をさせて頂いていると

・利益、資金繰りともに経営を維持している

・売上は減少していても売上総利益は黒字、資金繰りも維持出来ている

・現在の事業を継続しつつも業態の変更を企画している

といった内容をうかがうことが出来ます

もちろん大変なご苦労をされているケースもうかがっています

しかし、私の感覚ではそれ以上に底堅さを強く感じます

ニュースなどでは大企業の大きな話題ばかり出ますが、国内や地域に深く関連を持つ中小企業、小規模企業はこういった話とは関係のない強さを持っていると私は感じます

これは後述のテーマと関連して述べます

3.そして今後は

この一年、緊急事態が出ると業況は悪化するが解除されると急に改善するといった印象があります

今後はどうでしょう

一年前にも書きましたがいずれ回復するにしてもどうやら時間がかかりそうです

キーワードもたくさん出てきました

ワクチン、変異株等々・・・

感染症の専門的なことはわかりませんが、経営者として重要視すべき点は二つあると思います

一つ目は一年前と同様、資金のストック、資金繰りですがとらえ方が少し変わってきたように思います

二つ目は元来国内市場、地域経済にスタンスをおいている中小企業(特に小規模企業)にとってチャンスが巡ってきたのでは?という話です

(1)資金のストック

一年前「現在のように急激な景気回復が見込めない時期には資金の確保が重要」と書きました

ポイントとしては

・給付金・補助金

・納税猶予

・融資

をあげましたが、一年が経過して状況が変わってきました

・持続化給付金のような一定規模の金額で新しいものは出てこなくなってきました

・補助金は非常に手間と時間がかかります(業態変更等、将来の目的がはっきりしているなら検討すべきです)

・納税猶予は昨年のような簡単な手続きでのものは期待できなくなったと言って良いでしょう

・融資はもう十分受けており、将来返済の段階になったときの資金繰りを考えれば借り増しは慎重にならなければなりません

ではどうすれば良いのか

 

令和3年4月に出された中小企業庁の「2021年版中小企業白書・小規模企業白書」

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/PDF/2021gaiyou.pdf

によると企業の倒産件数はリーマンショックの時よりもかなり少ないです

一方で中小向け貸出残高は跳ね上がっています

これは企業が資金確保の努力を積極的に行い、経営をしっかり維持できている事を表している結果だと思います

 

問題は今後です

上記のように今後はこのこれまでような簡単に得られる給付金は期待できそうにない

融資も上記のように返済のことを考えれば慎重に検討が必要

となれば・・・

現在の事業規模を縮小してでも利益を出し資金繰りを維持することが第一のテーマになります

このためには、

利益の出ないあるいは損失が出ている部門を検討し直す決断が必要です

結果として売上高は減りますが利益を出すことが出来ます

ただし経費削減の検討、資金繰りの見直しも必要です

(2)国内市場、地域経済をターゲットにした利益率の高いビジネスへの転換

一年前コロナ禍が始まった頃、こんな物品までもが海外製だったのかと驚かされました

それまで何を発注してもすぐに手に入りましたが、部品や製品そのものが主に中国製であるためすぐには手に入らなくなりました

私が目の当たりにしたものとしては、トイレの改装(要するに便器です)、工具、パソコンの周辺機器、家電品、マスクもそうです

グローバル化、サプライチェーン云々という言葉の意味を身をもって理解させられたわけです

そして今は何でもかんでも海外製に頼る事をやめようと方向転換が日本中ではかられています

 

では中小企業、小規模企業者はこの流れにどう関わるか

なかなか難しいと思われる方も多いと思います

 

私は国内市場、地域経済をターゲットにした利益率の高い(高付加価値な)ビジネスへの転換のチャンスが訪れたと思います

もともと中小企業は戦後経済の中で国内市場、地域経済と深く関わりを持ってビジネスを展開してきたわけですからあるべき姿ともいえます

しかし日本はすでに先進国となり、かつての高度成長期のようなスタイルに戻ることは出来ません

目指すべきは

・たとえ売上高は下がっても利益率の高い(高付加価値な)スタイルへ転換すること

・他には出来ない優れた商品の開発、販売を目指すこと

コロナ前に「そうしたい」と思っていても様々な理由があってなかなか思い切った転換は出来ませんでした

もちろん、大きな投資を前提に利益率は低くても大きな売上を上げる事が出来る大企業、グローバル企業との関連を維持する選択もあります

しかし、上記のようなスタイルを選択する絶好の機会が来ていると思います

 

それからもう一つ、国内市場、地域経済においてもSNS、電子決済が不可欠になりました

この導入のチャンスでもあります(これにはIT補助金なども検討できるでしょう)

4.現実的な方向性

グローバル化の中で中小企業、特に小規模企業はどちらへ向かうか方向を見失っていたかもしれません

それに対する答えはといえば海外からの投資、インバウンド、M&Aなど小規模企業にとってなじまない答えしか返ってきませんでした

その結果が、事業承継者の不在、廃業、という消極的な方向を生み出していたのかもしれません

しかし、国内市場、地域経済をターゲットに出来ることは現実的な方向性を指し示してくれる可能性が大きいと思います


中小企業庁における小規模事業者の定義

製造業その他     従業員20人以下

商業・サービス業   従業員 5人以下

中小企業庁における中小企業者の定義

製造業その他   資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

卸売業      資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

小売業      資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

サービス業    資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

 

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